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行政の仕事 #151

みなさん こんにちは!
『Rockin’ Teacher 餃子大王 JUN’s club』へようこそ!
餃子大王・ベーシストのじゅんちゃんです(^^♪

9/5(月)静岡県牧之原市にある認定こども園の通園バスで起きた痛ましい事件。昨年7/29 (木)に福岡県中間市の保育園で起きた同様の事件からわずか1年あまり。またしても大切な子どもの命が奪われたことが残念でなりません。亡くなられた園児さんのご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の方々に対し謹んで哀悼の意を表したいと思います。

さて、今日のテーマは「行政の仕事」。
一読に要する時間は約6分(僕計測)。よろしくお願いします(^^♪

青い空は 青いまま 子どもたちに伝えたいです

報道内容から

警察は園側に重大な過失があったとみて捜査を進めているそうです。確かに、報道を通じて知る限り、「やるべきことをやらなかった」「できる注意を払わなかった」ことが今回の事件につながった可能性は否定できません。保育や幼児・児童教育に大いに期待している僕としては、保育・教育現場でこのような事件が起きたことがとても残念でなりません。

「休憩時間問題#141」で書いた通り、“道でつまずいてケガをした”だけでも責任を問われる幼児教育・初等教育の現場。もちろん、その点においては大いに疑問を感じています。しかし、今回の事件は道でつまずいた話とは内容・レベルが違います。車内に取り残された乳児・幼児が自力で命を守ることができないことなどわかっていたはず。ましてや送迎バス!1年前の事件の記憶もまだ新しい上に、今夏も多数発生した“車内置き去り”事件を考えたら、もっと丁寧に対応することは可能だったと思います。

報道では、タブレット端末を使った登園状況管理システムの問題なども指摘されていました。他にも、登園してない幼児の欠席連絡確認などはどうなっていたのかなどの疑問もあります。誰かがどこかで気がつくことはできたのではないか…。とても残念です。

行政の対応

ご存じの通り、保育園所・幼稚園・認定こども園では管轄する省庁が違います。保育園所は厚生労働省、幼稚園は文部科学省。そして、認定こども園は両省と内閣府であるのが一般的です。
ですから、今回の事件を受けて3府省が、各自治体に対し“保育園所・幼稚園・認定こども園における安全管理の徹底を改めて促す”よう通知したこと自体はうなずけます。

通知の内容については細かく知ることはできませんが、およそ次の通りのようです。
「登園時等における幼児の人数確認はダブルチェック体制で行うこと」
「送迎バスには、バスの運転手とは別に幼児対応担当職員が同乗すること」
「バス乗降時の人数および車内に残されている幼児がいないかの確認を徹底し、職員間で情報共有をすること」

同様の通知は、僕の住んでいる大阪府でも出されたようです。こちらも詳細は分かりませんが、報道によると「送迎バス運営に関するマニュアル整備」「職員研修の実施」などの内容が盛り込まれているようです。行政的には素早く適切な対応をとったというところでしょうか。

ヒューマンエラー

現職の頃、僕もいろんな事案を見聞きしました。実際に重大な事故・事件につながってしまったケース。大事には至らなかったけどというケース。さらにヒヤリハットまで数え始めると!所詮は人間がすること。ヒューマンエラーは避けられないというのが結論です。

もちろん、僕が管理職であった最後の10年間も同様でした。
やはり多くの原因はヒューマンエラー。「一瞬あれ?と思ったけど、まあ大丈夫かな」と確認を怠ったケース。「また今度」と後回しにしたことで起きたケース。「忙しくて失念していた」ために起きたケース。「きっと〇〇さんが確認しただろう」と都合よく解釈したために起きたケース。他にもいろんな理由がありました。

組織対応

僕は、このような事案が起きるたびに、教職員と一緒に「原因」「対策」を考えるようにしていました。
もちろん「原因」によっては、当事者が深く反省し、意識と行動を改善することこそが「対策」という場合もあるでしょう。特に、今回のような事件では、個人の責任が厳しく追及されるかもしれません。

しかし、組織内で起きた事故・事件の多くは、個人の責任で終わらせてしまえるものではありません。しかも、失敗したことを一番悔やんでいるのは本人であることも多いです。ですから、個人の責任ばかり追及することは組織全体のモチベーションを下げることはあっても、組織力を高めることにはつながりません。
極論すれば、個人に反省を求めている暇があれば、管理職はさっさと次の行動に移るべきです。

そんな管理職がすべきことは、事後対応とヒューマンエラー対策です。
たとえば、事故・事件から得た教訓を組織全体で共有すること。事案発生直後だけでなく、必要に応じて思い出す場面をつくることで、組織全体の意識を高めることが可能になります。
また、ヒューマンエラーに強いシステムを構築することも必要です。エラーが起こりやすい場面を特定し、エラーが起きにくいルール(手順)をつくること。ダブルチェック・トリプルチェックは典型的な手法の1つです。

もちろん、施設・設備に課題がある場合もあります。日頃気にしていない人の動きや物の流れにリスクが潜んでいる場合もあります。様々な角度から原因を追究し、可能な限りの手を打つことが組織、とりわけ管理職には求められるのです。

行政の仕事

今回、通知された「管理の徹底」「マニュアルの作成」「研修の実施」などはどれも正論。すべて納得です。
でも、違和感があるのです。現場が行政に求めていることは、こういうことなのでしょうか?
すべて「わざわざ言ってくれなくてもわかっていること」だし、結局「個人の意識を高めて徹底することこそが重要だ」という考え方から一歩も出ていません。それってコロナ対策と全く同じ。相変わらず行政はアリバイ的に指示を出しているだけで中身がないなぁと思ってしまいます。

僕は、行政だからこそできることは他にあるのではないかと思います。予算も権限も限られている現場ではできないような抜本的な対策です。
たとえば、バスに幼児を取り残すリスクを軽減できる新たな車内システム、車内に取り残された幼児を見つけたり、幼児自身が自分の存在を知らせたりすることができるシステム、職員同士がスムーズに情報共有できるシステムなど。
ちょっと考えただけでもいろいろ浮かびます。3府省・自治体の方々が本気で考えれば、アイディアなんていくらでも見つかると思います。

協働的作業

人工知能AIの台頭により多くの職業が人からAIや機械へと変わっていくといわれる現代。現場と行政が、人間とAIが、アナログ的手法と先端技術を組み合わせながら、協働的に解決策を講じることができるといいなと思います。

もちろん、多額の経費がかかることもあるでしょう。でも、教育は未来への投資!
莫大な公費を投じて開催した東京五輪・パラリンピックでは大きなお金が不正に動いていたようです。今なお賛否両論がある国葬には16億円以上もかかるのだそうです。そんな話を聞くと、予算なんてどうにでもなるのではないかと思います。権限と権力をはき違えることなく、本当に必要なところに予算を投じることで、幼い子どもの尊い命が奪われるような悲惨な事件が繰り返されないことを願っています。

最後までお付き合いくださり、ありがとうございました!
感想・コメントも大歓迎!
またお越しください!
お待ちしています!

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校長の姿勢(やめる勇気) #19

みなさん こんにちは!
『餃子大王』ベーシストじゅんちゃんのブログにようこそ!

今朝の我が家上空は薄雲がかかった状態。でも、しっかり陽射しは届いています!これだけでも気分高揚!コストゼロでストレス解消!ありがとう太陽!
ということで、本日のBGMは大好きな松岡直也先輩のアルバム『SONGS AND DAYS』より「最後の楽園」。爽やかな朝を演出します!
※僕の青春時代を彩ってくれた曲を中心に選曲中です♪ぜひお聴きください!

さて、今日のテーマはシリーズ第3弾「校長の姿勢(やめる勇気)」です。今日も最後までお付き合いください(^^♪

スタンスと価値

少し過去2回の内容を振り返ってみたいと思います。
第1回「校長の姿勢(スタンス)」では、「できない理由を考える」よりも「どうすればできるかを考える」ことの重要性について書きました。そして、第2回「校長の姿勢(価値)」では、「行うことを目的とする」のではなく「なぜ行うのか、どう行うのか、どう評価するのか」を問うことの大切さについて書きました。いずれも、「子どもの学びと育ち」のために価値のあることをやりきるためのベースとなる考え方です。

僕たちの挑戦

もちろん、公立小学校には私立のような施設も設備も予算もありません。当たり前の環境整備や研究だってままなりません。でも、だからと言って何もできないはずはありません。多少見栄えは良くなくても、公立小学校にだってできることはたくさんあるはず!むしろ公立小学校にしかない強みを生かせれば、何か面白いことができるに違いない!

これは、6年前に校長になった時からずっと持ち続けていた僕の思い。大げさに言えば、僕たち公立小学校の挑戦でした。まあ成果はそこそこだったかもしれませんが、本当に楽しいチャレンジができました!

でも、だからと言って、チャレンジ精神だけで突き進むことはとても危険です。なぜなら、あらゆる教育活動において「子どもの学びと育ち」よりも、さらに優先されることがらがあるからです。それは、もちろん「子どもの安全・安心」です。

花の色も鮮やかさを増しています。もうすぐ初夏♪

僕たちの失敗

かつて教頭として勤務していた学校で大きな事故が起きました。その結果、僕たちは一人の子どもに大けがを負わせてしまいました。子どもたちも教職員もより良いものをつくろうと一生懸命頑張ってきた活動。必要と思われる配慮も手立ても講じていた活動。でも、事故は起きたのです。

「僕たちは“やめる”という選択肢を持っていただろうか?」。これは、僕たちが直面することになった課題です。事故が起きれば何でも学校の責任だと言っているのではありません。
ただ、指導計画段階や指導時の配慮と確認、人的・物的環境整備、さらには個別の配慮など、もっとやれることがあったように思うのです。やはり事故は防げた…。これが僕たちの結論でした。

ましてや僕は管理職。子どもたちとともに一生懸命頑張っている教職員よりも、少し広い視野で状況を把握し、助言できることがあったはず。あの事故は管理職の責任。今もそう思っています。

写真はイメージ。本文とは無関係ですm(_ _)m

僕たちの決意

それ以降、僕たちは「事故未然防止のためのチェックシート」を作りました。基本スタンスは変えずに、安全・安心を確保するために必要だったからです。
もちろん、シートは管理職への提出を目的としたものではありません。むしろ、教職員一人ひとりの意識とスキルを高めることを目的としたマニュアルと言った方が近いかもしれません。

例えば、屋外活動中の子どもたちに対する水分補給の指示。「お茶飲んでね」と促すだけで実際に飲んだかどうかまでは確認していませんでした。誰かがお茶を教室に置き忘れていたとしても、おそらく気づきません。
もちろん、現実には個別確認をすることは難しいです。ただ、「指示通りに動いているだろう」と安易に考えることはなくなりました。注意深く子どもたちの行動を観察する。それだけでも随分違うのです。

僕たちは他にも再発防止のために考えられる手立てを考え、実行していきました。でも、事故を起こしたという事実は変わりません。傷ついた子どもの心と体は傷ついたままです。だから、このことは決して過去の出来事にはならないのです。

写真はイメージ。本文とは無関係ですm(_ _)m

やめる勇気の使い方

あえてもう一度書きますが、校長先生方が「様々な困難にぶつかったときに、無理に頑張らず、できるだけ無難な判断をしたくなる」気持ちはわかります。
でも、価値あることなら勇気と工夫をもってやりきるべきです。困難な状況であっても可能性があるなら追及する!自らがモデルとなり、予測困難な未来の生き方を子どもたちに伝えるべきだと僕は思います。

その上で持つ「やめる勇気」は、「初めからやろうとしない」こととは全く違います。結果が同じだとしても、やっぱり全然違うのです。

子どもたちも教職員も、熱意をもって取り組んだ活動ほど「ゴールまで行きたい」と考えます。当然のことです。でも、その思いは、時に「少しの無理ならOK」「それほど無理はしていない」などの判断の甘さにつながります。そして、最悪の場合は重大事故を引き起こすことに…。

写真はライブの宣伝。本文とは無関係ですm(_ _)m

校長の姿勢

校長先生方には、常にどうすればできるかを考えようとする「前向きで創造的な学校文化」を育ててほしいと思います。
子どもたちや教職員の努力が成果に結びつくように、「価値ある活動」を追求する思考プロセスを学校に根付かせてほしいと思います。
そして、子どもの学びと育ちの大前提であるべき安全・安心確保のために「やめる勇気」をもった学校づくりをめざしてほしいと思います。

今回は「校長の姿勢」というテーマで3回にわたり、僕の考えを書かせていただきました。字数にして約7000字!長文読解、お疲れになったことでしょう。
できれば明日は教育以外のカテゴリー。軽めの内容でお届けしたいと思います。お読みくださったすべての方に、心よりお礼とお詫びを申し上げます!ありがとうございました!

今回もお付き合いくださり、ありがとうございました。
また次回もお越しください!
ありがとうございました!