みなさん こんにちは!
『Rockin’ Teacher 餃子大王 JUN’s club』へようこそ!
餃子大王・ベーシストのじゅんちゃんです(^^♪
今日のテーマは「水泳学習」。
僕が現役時代、研究教科に選んでいたのが保健体育科学習。この保健体育科にはさまざまな領域があります。たとえば、体つくり・器械・表現・陸上など…。これらの中で、僕が教諭時代に特に力を入れていた領域の1つが水遊び・水泳(以下水泳としますね)の領域。
今日は僕の水泳学習に対する考えについて書いてみたいと思います。最後までお付き合いください!
一読に要する時間は約6分(僕計測)。よろしくお願いします。
6/30の話
あっという間に、しかも大した降水量もないままに梅雨明け。そして、連日の真夏日!
今日は、九州南部から関東甲信地方にかけて、広く熱中症警戒アラートが発表されているようで、一段と厳しい暑さになりそうです。ここ数日の猛暑・酷暑の影響もあり、身体にはダメージが蓄積しています。みなさん、ご自身やご家族の方々の健康状態にご留意くださいね。
校長時代は、こんな日は気が気じゃなかったことを思い出します。
それでなくても心配性の僕。日頃から気になることがどんどん湧いて出てくるタイプで、正直、少しばかり厄介な性格です。いわゆる繊細さん傾向。
その上、こんな日ともなると…。登下校・通勤、学習場面、休み時間、給食などあらゆる時間・すべての場面で、子どもたちや教職員の方々の健康・安全が気になって仕方がない!それは、水泳学習でも同じでした。
水泳学習
「お菓子箱#63」で書いた通り、僕たちの市は近代水泳発祥の地。伝統的に水泳学習が盛んで、全小学校に25mプールと12~3m程度の浅いプールが設置されています。このプールで水泳をするのは6~9月初旬。夏休み中も水泳指導があり、教員が交代で指導にあたります。また、2学期には市内6年生全児童を対象とした水泳大会も開催。おそらく、小学生児童の泳力としては、全国屈指のレベルにあります。
そんな僕たちの市も、この数年は水泳学習の中止・減少をせざるを得ない状況に陥っています。
2018年には大阪北部地震。近隣市で発生したブロック塀倒壊による死亡事故を受けて、プールを含むすべてのブロック塀の点検・改修工事が行われ、プールが使えない時期がありました。
また、熱中症による死亡事故が激増し始めたのもこの頃。熱中症指数を目安に水泳学習を中止することもありました。
2020年以降はコロナ禍。ソーシャルディスタンスやマスク着用など、屋外での水泳学習でさえ実施困難な状況が続き6年生の水泳大会も中止。かつてないほど子どもたちの泳力は低下しています。
泳法指導
僕は子どもの頃から運動が大好きで、何でも器用にこなすことができる子どもでした。そんな僕の唯一の弱点が水泳。当時の先生方の悪口を言うつもりはないのですが、僕の身体的状況・運動能力を考えればもう少しうまく泳げてもおかしくはありません。
これは、のちに保健体育科を研究教科に選んだ僕、とりわけ水泳指導に力を入れていた僕の偽らざる思い・見解です。水泳に限ったことではありませんが、指導力というのはそれだけ重要だということです。
水泳指導と言ってもいろいろな指導法があります。学校により、指導者により、それぞれにコツのようなものがあります。さらに言えば、学校体育とスイミングスクールとでは目的・指導法に大きな差があります。
2つの学び
そんな中で、僕が水泳指導について学んだのは初任校・M小学校。泳法指導の基本を理論・実践の両面から学びました。おかげで、泳ぎを見れば課題がわかるようにまでなりました。
M小学校では課題に応じた練習方法も教わりました。もちろん、M小方式的な指導方法はありましたが、実際には万能な指導法はありません。指導の基本パターンをもちながらも、子どもによって柔軟に指導方法・解決方法を変える。つまり、教員の指導法に子どもが合わすのではなく、子どもの希望や課題に教員が合わせる。今でいう「個別最適な学び」だったのかもしれません。
M小学校高学年の目標の1つに「参加標準記録がある水泳大会に全員で参加すること」がありました。つまり、全児童に大会参加できるだけの泳力をつけようということです。
これは、日本型教育の特長である「ミニマムスタンダード」的発想。そのために、最も指導力のあった先輩教員が、最も泳ぎを苦手とする子どもたちを指導していたことが印象に残っています。
結果として、100人を超える大所帯で参加した6年生は2年連続男女アベック優勝を果たしました。
Safety Swim
こんなふうに泳法指導を中心に取り組んできた水泳学習ですが、僕自身はS小学校へ異動した1994年頃から「Safety Swim」にシフトしていきました。
もちろん、泳法指導についても自分なりの理論で再構築。短時間で成果が上がる学習をめざしました。そうして作り出した余剰時間を浮き身練習等に活用。浮力や重心、水中での体位移動、呼吸などをテーマに、ビート板・ペットボトルなどグッズを使って遊びながら習得できるようなプログラム作りに挑戦しました。
もちろん、着衣泳にも先進的に取り組みました。ただ、衣服や靴をつけて水に入ることによる水質汚濁への抵抗感をもつ方(教職員・保護者・児童も!)が多かった時代。水質管理研修で教わったことを説明しても、抵抗感払しょくとはいかず、プール終期に6年生だけ実施するのが精一杯でした。
教育は命を守るため
しかし、子どもたちの水難事故のピークは初夏(晩春?)から8月にかけて。遅くとも夏休み前にしなければ意味がありません。また、全学年児童が事故に遭う可能性だってあるわけです。
そのため、管理職になってからは、教諭の頃に実現できなかった全学年・1学期中の実施をめざし、取組を進めました。今では、毎年全学年が取り組むという学校が増えてきているようでとても嬉しく思います。
ちなみに、毎年実施する意味については学んだのは2003年度「学校体育指導者中央講習会(中部地区)」。大阪府会場だったため、僕は小学校・水泳班の記録員として参加。講師の椿本昇三先生(当時 筑波大学助教授)が「子どもの身体は年齢により比重が変わるため、毎年実施することが望ましい」とおっしゃられたことを記憶しています。
今日はMちゃんも2時間続きの水泳学習を行うそうです。そんなわけでわが家は朝から安全確保・リスク回避に関する会話。その時にMちゃんに伝えた言葉は「保健体育は心身の健康を守るためのもの。命がけで行う体育はない」。これは僕が子どもたちや後輩教職員に伝えてきた言葉です。
今日もすべての学校で子どもたちが安全に「命を守り育てる活動」に楽しく取り組んでくれることを願います。教職員のみなさん、家庭や地域、関係者のみなさん。ご苦労様です。よろしくお願いします!
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました!
またお越しください!
お待ちしています!