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校内組織(育成) #54

みなさん こんにちは!
『Rockin’ Teacher 餃子大王 JUN’s club』へようこそ!
餃子大王・ベーシストのじゅんちゃんです(^^♪


人が力を発揮するために必要なもの。それは「目的意識」です。
でも、売れるのは「How To」的な商品ばかり。ダイエットでも料理でもネット関係でも…。そう思われるかもしれませんが、実は人間の心理はそんなに単純ではありません。「How To」ものが売れる理由は簡単。購入者はすでに明確な目的を持っていますので、知りたいのは「How To」のみ。あとは志をもって続けることができるかどうか…。それは別の話ですけどね(^^;

というわけで、今日のテーマは「校内組織(育成)」です。僕が、人材育成を担ってくれていた教職員(教頭先生が中心ですね)に伝えていたことをお話しします。最後までお付き合いください(^^♪

一読に要する時間は約4分(僕計測)。よろしくお願いします。

日陰でひっそりと咲いているコアジサイ。今が見ごろです。(I本君のFacebookより)

2つの目的

教職員は毎日、個人・組織でがんばって仕事をしています。その努力をどう成果に結びつけるかはとても重要です。そのために、人材育成に関わる立場の人は、常に2つの観点から教職員支援を行うことが大切になります。

1つ目は、「成果」の観点。業務の質を高め、成功させるための支援です。
そして、2つ目は「育成」の観点。業務を通じて、個人・組織の育成を図ります。

「そんなの当たり前!」だと思われたでしょう。でも、意外とこの2つの両立は難しいのです。常に意識し、先を読み、ケースによっては手続きの順番を工夫することも必要になります。ちなみに、この2つに優劣はありません。ケースにより優先順位が変わることはあっても、基本的には同じ価値だと僕は考えています。

育成の基本

まずは、前提となる「人材・組織育成」に対する僕の考え方を書いてみます。

基本的には、各組織の裁量権を拡大させることが大切です。なぜなら、自分(たち)で思考できる人材・組織育成のために、考える余地が必要だからです。

日々の業務はそれ自体が目的とも言えますが、本来は、フィロソフィー・学校教育目標・研究テーマに基づく手段です。学校教育の目的・目標を理解し、手段としての業務に工夫して取り組み、成果をあげるためには「How To」だけでは足りません。一人ひとりに、理解・共感し、思考する力が必要なのです。
だから、人材・組織育成をめざすなら、適切に権限を委譲することが必要なのです。

ただし、その範囲については慎重に検討されることを勧めます。昨今、「失敗してもいいからどんどん経験させるべき」と言われる方もいますが、僕は反対です。
たった1つの失敗が子どもを傷つけ、人生を変えてしまいます。地道に積み上げた信頼も一瞬で崩れます。
「失敗してはいけない」案件か「任せてよい」案件かを、冷静に判断する力が指導者には求められます。もちろん、管理職、チームリーダーもそうですが、担任だって、保護者だって同じだと思います。

カラスアゲハ メス(I本君のFacebookより) 

チャレンジ案件

ある程度チャレンジしてもよい案件の場合は、思い切って任せてみましょう。もちろん、基本的なベクトルは戦略会議(いずれお話しします)で確認しますが、それ以外は進捗の確認と適切な助言・指導程度で良いと思います。
もちろん「いい仕事ができた」と実感させ、自己有用感向上させることが大切ですので、大失敗させてはいけません。でも、主体的に業務に取り組むことで、仕事の考え方や仕方を覚えます。自信やモチベーションにもつながります。

民間企業に比べ、学校の人材育成システムは制度的な要因もあり、とても脆弱です。でも、工夫次第でメンター・メンティーともに育つシステムをつくることだってできます。みなさんも自分の強みを活かすスタイルを作ってみてはいかがですか(^^♪

クロアゲハ (I本君のFacebookより)

重要案件

一方、慎重に進めたい案件については、より丁寧な対応が必要になります。担当者と頻繁に打ち合わせし、方針を確認することが重要です。
もちろん、担当者の思いや考えは大切!それが主体性を育てます。その上で、リスク回避のための助言・指導を行うというスタイルです。特に、管理職としての意向がある場合には、早めに説明&軌道修正をする必要があります。間違っても後出しじゃんけんになってはいけません。
また、担当者が動きやすくなる環境・条件を整備し、背中を押してあげることも管理職だからこそできること!お勧めです。

最も避けたいパターンは、管理職による「ちゃぶ台返し」。
それは、担当者が担当組織で検討・決定した内容を意気揚々と管理職に報告に来た際に起きる大逆転劇です。僕も校長でしたので、「これはまずい!」と思ったことが何度もあります。だから、管理職にすれば失敗回避のためにやむを得ず…ということもわかります。
でも、やっぱりそれはNGです!担当者にすれば、自分も組織もないがしろにされたと思って当然。信頼関係の低下は、以後の業務にも大きなマイナスとなります。そうなってしまった場合は、手順を間違った自分のミスだと認め、微妙に「ちゃぶ台」の位置を少しずらす程度でリスク回避を図るしかありません。

創意工夫

適切に打ち合わせをしたにも関わらず「何で?」という状況になる場合もありました。担当者が意図を理解していなかった場合です。これも、担当者の思いや力量を読み違えた管理職のミス。だから、僕はこの経験以後は、状況によっては担当者を支援できる立場の人との打ち合わせも行うようにしました。
重要案件成功へのセーフティネットですね。
このようなセーフティネットは各校の状況により整備が必要ですが、そこも指導者の腕の見せ所!業務の成果と人材・組織育成の両面での大きな成果を上げられることを願っています(^^)/

最後までお付き合いくださり、ありがとうございました!
またお越しください!
お待ちしています!

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校内組織(会議) #52

みなさん こんにちは!
『Rockin’ Teacher 餃子大王 JUN’s club』へようこそ!
餃子大王・ベーシストのじゅんちゃんです(^^♪

今日のテーマは「校内組織(会議)」です。組織のベクトルを決める経営戦略会議の話題にいく前に、まずは、校内会議に対する僕の考え方についてお話しします。実際に取り組んだことを中心に書いてみたいと思いますので、どうぞ最後までお付き合いください!

一読に要する時間は約4分(僕計測)。よろしくお願いします。

目的の明確化

校内会議にはいくつかの目的があります。「連絡・共有」「決定」「意見交流」など。ところが、目的が曖昧で、どこに向かっているのかわからない会議もしばしば。特に、トークが得意な方が多い職場。子どものエピソードを話し始めたら際限なく続きます。一体この会議の行き先はどこ?まずは会議の目的の明確化を進めました。

開始時刻を守る

会議開始前の「〇時より〇〇会議を始めます。」という校内放送をやめました。もともと「教員働かせ放題」の現場。いわばサブスクの先駆け?その悪影響もあって、時刻・時間に対する意識が低くなりがちです。さらに、児童・保護者への緊急対応など、優先すべき業務もありますし、アポなし来校など当たり前!会議への遅刻・欠席はなくなりません。

でも、遅れる人はいつも同じという気も…。しかも規則正しく遅れてくる。おそらく、放送が入るまで、必死で他の業務に取り組んでいるのでしょう。でも、やっぱり組織で動く以上、時間管理は重要です。

で、結論。校内放送をやめた結果、会議スタートがとてもスムーズになりました。教職員を信頼することをお勧めします(^^♪

畑のジャガイモの花も咲いています(I本君のFacebookより)かわいい花ですね!(^^)!

終了時刻を守る

開始時刻を守るのだから終了時刻も守ります。ご自身の状況や家庭の事情など、いろんな条件の方が混在する、いわば“ダイバシティ”な職場。定時退勤が基本です。(ここでもやっぱりサブスク的問題が!)
そのために、事前の案件配布、当日の司会者の選定、タイムテーブル作成など、様々な手立てが必要にはなります。でも、同じ時間で効率よく効果のある会議をしようと思えば、これらのことはマストです。

ついでに言うと、授業の延長もNGです!学校でよく使われているチャイム。僕はすべて「始まりのチャイム」と言っていました。「授業始まりのチャイム」の次は、当然「休み時間始まりのチャイム」!なのに授業延長!子どもの集中力はすでに…。ホントはここから改善が必要です。

「終わるまで延長」という考え方は持続可能ではありません。会議を通して時間厳守の習慣を身につけることをお勧めします。

会議面積を減らす

僕は「参加人数×時間=会議面積」とし、縮小を主張し続けていました。本当に必要な人数・人選。事前の準備・計画による必要最小限かつ十分な時間設定。そしてねらい通りの成果。これが理想でした。 もちろん、会議には目的があります。あえて大人数で会議をすることも、1時間以上の設定をすることもあります。また、会議目的に人材育成など別目的を組み込む場合だってあります。大切なのは目的との整合性ですので、とにかく会議面積を縮小すればよいと考えていたわけではありません。

ただ、目的を曖昧にしたまま前例踏襲で行っている会議が多かったことも事実。そこを見直すことで、学校資源の有効活用をめざしました。

本日おじゃました学校です♪

資源を活かす

民間企業的発想で「教職員の時間給×人数×会議時間=会議コスト」を根拠としてもかまいません。「多くの教職員を長時間拘束したが、成果はイマイチ」だとすれば、組織としては大きな損失です。

「分業」という考え方でもかまいません。
たとえば、僕たちの学校では別日程開催だった卒業式会議と入学式会議を同時開催へと変更し、両会議の参加者数を減らしました。同様に、他の会議についても追求。タイトなスケジュールに余裕を持たせるとともに、担当業務量の減少につなげました。

また、「Aさんが会議に出席し、Bさんは学年業務を進める」ことも業務軽減になります。限りあるマンパワーを上手に活用することで業務が効率よく進み、時には全員同時に疲弊するのを防ぐことにもつながります。僕たちにとって「分業」は小さな教職員支援、業務改善の意味をもっていました。

工夫を凝らす

他にもいくつかの作戦を実行しました。
たとえば会議目的に応じた座席レイアウト変更。会議はこうあるべきという先入観を捨て、目的に応じたレイアウトをめざしました。もちろん、時には短時間のスタンディング会議も!それなりの環境が必要ですが、目的の明確化につながります。

月1回を目標にノー会議dayも設定しました。この日は、学年や担当者間の小さな会議も行わないことが原則です。会議の質向上というよりも休みやすさの一助になればと思って実施した取組です。

広い運動場。気持ちいいなぁ(^^♪

これらはあくまでも僕たちの学校の取組例です。これらを参考に各校で工夫された取組が進むことを期待しています。
となると、問われるのは、学校の課題発見力と問題解決力。課題は?解決策は?それは子どもや教職員などの利益につながるか?
難しい問題ですが、こういうことを考える姿勢が大切なのだと思います。「できない」ではなく「どうすればできるか」を基本スタンスに、創意工夫を凝らすことで、働きやすく力のある学校に育ててください(^^♪

最後に…。逆説的な言い方ですが、学校が努力することで、「行政が解決すべき問題点」がより明確になると考えます。その結果、国レベルでの対策が講じられるようになることを期待しています。

最後までお付き合いくださり、ありがとうございました!
またお越しください!
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校内組織(協働) #51

みなさん こんにちは!
『Rockin’ Teacher 餃子大王 JUN’s club』へようこそ!
餃子大王・ベーシストのじゅんちゃんです(^^♪

さて、今日は月曜日。僕も仕事モードで「校内組織(目標)(5/27)」の続編に挑戦!前回お話しした各委員会の関わり方について、具体的にお話ししたいと思います。
新年度開始から約2か月。今ある組織と取組を効果的に活用するヒントになればうれしいです!今日も最後までお付き合いください。
一読に要する時間は約4分(僕計測)。よろしくお願いします(^^♪

昨日の続き。伏見稲荷大社です(^^)/

校内委員会

僕たちの学校の研究テーマを一言で言うと「学校UD化計画」。前回は、「学校UD化」を実現するために、『研究推進委員会』4委員会(「人権」「支援」「学力」「特別活動」)がどのように組織目標を設定したかについてお話ししました。

しかし、実際はこの4委員会以外にも校内組織があります。以前書いた通り『専門委員会』には5委員会(「生活指導」「保健・給食」「図書・情報」「体育行事」「不登校対策」)がありましたし、その他にも外国語教育や各種行事関係の委員会などがありました。
中でも、『専門』5委員会は『研究』4委員会とともに、校内の基幹組織。様々な面で“協働”にチャレンジすべきだと考えていました。

母子草(I本君のFacebookより)今日は黄色いお花から(^^♪

“協働”へのチャレンジ

国語の研究授業を例に説明します。
授業研究会を行う場合の研究主体は当然「学力」です。教科の授業である以上、教科の目標を疎かにしてはならないからです。でも、「学力」だけが研究するのではもったいない!
より多くの視点からの授業UD化。つまり各委員会の強みを生かす “協働的なアプローチ”こそが、「学力」の研究を支援することにもつながる!僕たちはそう考えて、“協働的な授業づくり”にチャレンジしました。

たとえば…。
学びの下支えとなる学級集団づくりは「人権」のテリトリー。
学習環境や教材・教具、エンパワー層への支援方法などは「支援」のテリトリー。
場面によってタブレットや図書を活用するならば「図書・情報」のテリトリー。
そして、教科学習で身につけた力を試す場を「特別活動」が設定。

「より良い授業づくり」という共通目標に向かって多くの委員会が関わることの意義は大きいです。最大のメリットは、全教職員が当事者意識をもって研究参加できること!研究そのものに広がりや奥行きが生まれますし、委員会間連携も強まります。そして、そのおかげで「学力」は本来のテリトリーである“授業づくり”そのものに集中することができるのです。

どこにでもある紫詰草ですが近寄ってみるとなかなかいいですね(I本君のFacebookより)

「学力」の研究内容

「学力」の研究についても少し説明を…。
僕たちの学校では、「学力」担当者を中心に、単元計画、毎時間のねらいや評価の観点や方法・ルーブリックまで細かく検討していました。もちろん、毎時間の授業についても!
導入方法や終盤のまとめ・ふりかえりなど、ねらいを明確にした授業づくり。めあてに合う思考スキル・ツールの選択。エンパワー層のつまずき予想と手立て。ワークシートや板書計画。課題によってグルーピングも戦略的に行います。

誰もが活躍できる授業づくりをめざす研究としては、これだけでも十分です。
でも、僕たちのチャレンジは単独・単発を克服し、協働的実践を積み上げること!担当者を始め教職員の情熱のおかげで、本当に楽しいチャレンジができたなあと思います。ただ、実際にどこまでやり切れたかというと…。

特にこの2年間は、コロナ禍の影響で学習内容・方法に多くの制限がありました。教室内に入ることができる教職員の人数にも限りがありました。時には、研究授業実施そのものが困難な場合も…。

でも、僕たちの学校のチャレンジはまだ始まったばかり。僕は現職を退きましたが、教職員たちが今日もまたより高いレベルをめざしてがんばってくれていることでしょう!公立小学校の挑戦はまだまだ続きます(^^)/

いつもの写真で学校感を出しておきます(^^;

研究の背景

最後に、「学力」が国語科研究を進めることになった背景について…。
「学力」は数年間継続して「算数の授業づくり」を研究し、大きな成果をあげました。そのため、2年前に「論理的な思考力を子どもたちに育むこと」を新たな課題にしました。日常生活の場面で、自分の思いや考えを適切に表現できない子どもが多かったからです。

子どもたちが困っている原因についても教職員で分析しました。その結果、自分の思いや考えのもととなる「根拠・理由」を明確にする力が不十分であることが原因ではないか…という仮説に到達。この課題克服のために、担当者が導入した手段が「思考スキル・ツール」。

ねらいは、課題解決の場面で「思考スキル・ツール」を活用することで、子どもたちが「思考の種類と選び方」「思考の方法」を身につけること。そして、「自他の思考の過程を把握」することができるようになること。このねらいを達成することで、日常生活の場面での課題も克服できると考えたのです。

併せて、教科についても何度も議論した結果、「国語」を中心に研究することに決めました。このように、教職員全員で課題意識の共有や解決方法の検討を行うこと自体も組織づくりには欠かせないと僕は考えています。

さて、今後は業務遂行に欠かせない「組織戦略」「個人目標」「検証」などについても書く予定です。「こんな考えもあるのか…」で十分なので、みなさんの構想づくりのきっかけになればありがたいです。よろしくお願いします!

最後までお付き合いくださり、ありがとうございました!
またお越しください!
お待ちしています!

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校内組織(目標) #48

みなさん こんにちは!
『Rockin’ Teacher 餃子大王 JUN’s club』へようこそ!
餃子大王・ベーシストのじゅんちゃんです(^^♪

昨日は久しぶりの雨。そのせいか今朝の空気は少し澄んでいました。でも来週はまたまた雨マークが…。いよいよ梅雨?通勤・通学が大変になりますね。しかも、蒸し暑くなって熱中症の危険度もアップ。みなさんお気をつけください。

さて、本日のテーマは「校内組織(目標)」。 「フィロソフィー(5/23)」「組織づくり(5/24)」の続編です。先日ご紹介した僕たちの学校の『研究推進委員会』を具体例に、組織ごとの目標設定についてお話ししたいと思います。最後までお付き合いください。
一読に要する時間は4分30秒(僕計測)。よろしくお願いします!

縦割構造

簡単に復習をします。僕の知る限りでは、校務分掌組織が縦割構造になっている学校が多いです。それぞれの委員会にはその道の専門家的人材(人権の専門家、学力の専門家など)がいることも多いです。それぞれの委員会は独自の目標・研究テーマに向かって一生懸命に取組を進め、それなりに成果も上げています。
ただ、委員会間の連携が足りない気も…。それぞれの頑張りが学校としての大きな成果に結びつきにくい。そんな気がします。

もちろん、どんな組織でも、組織の存在意義と無関係な目標を設定することはありません。ただ、教育の世界は個別の課題が多く、それ自体が十分な研究対象となります。
たとえば、授業づくりでは国語、算数…などの各教科等。
たとえば、人権で言えば、人権三法に見られる「障害・本邦外出身者・部落に関する差別」や「平和」「ジェンダー」など多種多様な課題。
どれも教育課題ですから、各委員会がどの課題を研究テーマとしても間違いではありません。ただ、この正当性が微妙な縦割構造を生み出す原因にもなっています。

委員会目標

では、間違いではないのだから、個人の判断で(もっと言えば好みで)研究テーマを選んでもよいか?もちろん答えはNOです。
組織づくりでお話ししたように、僕は「委員会は学校目標への貢献のために設置する」と考えています。ですから、委員会ごとの目標・研究テーマについても、学校全体の目標に迫るものでないといけないと思っています。

ポイントは上位目標である学校のフィロソフィーと目標(ゴール)。
「私たちは教職員としてどんな学校をつくり、どう社会に貢献するのか。」
「そのために、今何をめざすのか。」がきわめて重要です。
フィロソフィーや目標を共有することで、教職員の力・業務は一点に向かって集約されます。教職員の力を無駄づかいしないというのは、こういう意味です。

校長の仕事

フィロソフィーや目標を明記した学校グランドデザインを作成・提案するのは校長の仕事です。でも、僕は一貫して教職員の思いを尊重することや教職員全体で納得・共有することを主張してきました。そのための共通言語づくり・ブランディングについては、このブログでも触れてきました。校長はこれらを踏まえたうえで、学校GDを作成・提案しなくてはいけません。フィロソフィーや目標を共有するためには、共有したいと思えるフィロソフィー・目標づくりが必要なのです。

校長の肩書=権力で統治しようとする「力のガバナンス」ではなく、共有・共感をベースにした「緩やかなガバナンス」。それこそが、協働的な校内組織づくりの第一歩だと僕は考えています。

学校UD化計画

僕たちは「学校UD化計画」をもとに研究体制づくりを行いました。中心となる『研究推進委員会』は「人権」「支援」「学力」「特別活動」の4委員会で構成。それぞれが担当領域や強みを生かして「学校UD化」に貢献することを考えました。

まず、すべての基盤と考えたのが「人権」「支援」の視点。
「人権」では集団づくりUDをテーマに良好な人間関係づくりをめざしました。
また、「支援」では学習環境づくりUDをテーマに、しんどさを抱えた“あの子”も安心して学べる環境づくりに取り組みました。一般的によく見るハード面でのUD化だけでなく、言葉かけなどソフト面でのUD化も研究していました。

そして、この基盤の上に成立するのが「学力」と「特別活動」の2委員会。
「学力」では授業づくりUDをテーマに、教科・領域の学習を通して、児童の資質・能力を育みました。特にエンパワー層の子どもの姿をイメージ。つまずきポイントを予想し、授業計画を作成しました。また、2年前から子どもの思考を助けるために「思考スキル・ツール」も導入。関西大学初等部の石井芳生先生に学びました。

「特別活動」は、活動づくりUDがテーマ。「人権」「支援」を基盤に「学力」で身につけた力を、実生活の場面で活用できるようにすることが目標です。学校・学年行事や委員会・係・当番活動など、子どもたちがチャレンジできる場面を数多く設定しました。

校内委員会には『研究推進』以外にも『専門』をはじめとする他の委員会がたくさんあります。これらの委員会も含め、どのように連携していたのか。そして。効果検証はどのように行っていたのか。この点については、また続編でお話ししたいと思います。

追記

これまで、教育の話題の多くは校長先生をメインターゲットにして書いてきました。でも、実はほとんどの内容は、僕が教諭・担任時代に考えていたことです。ですから、「校長→担任」「教職員→子どもたち」や「校長→チームリーダー」「教職員→チームメンバー」のように読み替えていただくことも可能です。
担任としての学級づくりやミドルリーダーとしてのチームづくりに役立てていただけると幸いです。

最後までお付き合いくださり、ありがとうございました!
またお越しください!
お待ちしています!

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組織づくり #45

みなさん こんにちは!
『餃子大王』ベーシストじゅんちゃんのブログにようこそ!

今日も昨日と同じような空。どこかすっきりしない感じです。
さらに木曜日あたりから天気は下り坂。大阪の2週間予報を見ても、晴れマークより雲&傘マークの方が多いかな。
いよいよ梅雨?
雨を待ち望んでいる方には朗報ですね。そうでない方は仕事や学業の段取りをお考えくださいね。ちなみに小学校の授業は天気の影響をよく受けます(^^;

さて、今日のテーマは「組織づくり」。もちろん、フレームだけを変えても仕方がないのはその通り。でも、僕はフレームづくりを通して、組織とはどうあるべきかを教職員に投げかけ続けてきました。ゴールはインクルーシブな組織づくり。だから、僕の組織論は目的であり、手段でもありました。

なんて大きく構えましたが、民間企業にお勤めの方には至極当然の話。むしろ「まだまだ」でしょう。加えて、今日お話しすることには地域差・学校差があります。ですので、あくまでも僕が勤務した学校+αの範囲の話だと思っていただけるとありがたいです。

ちなみに本日のBGMはDonny Hathawayの『Live』盤より「What’s Going On」。心地よいビートを感じながら、僕が考えていたことを書いてみたいと思います。
一読に要する時間は約5分(僕計測)。よろしくお願いします。

校務分掌組織

僕たちは「〇〇委員会」などの校内組織のことを校務分掌組織と呼んでいます。この校務分掌組織設置は学校に裁量権があります。そのため、設置している委員会は地域や規模、研究テーマなどにより様々です。ただ、僕の知る限りでは「学力保障」「人権教育」などに関する委員会を設置している学校が多かったように思います。

ちなみに僕が最後に勤務した学校には『研究推進委員会』『専門委員会』がありました。それぞれに設置していた個別の委員会は以下の通りです。
『研究』には「学力」「人権」「支援」「特別活動」。
『専門』には「生活指導」「保健・給食」「図書・情報」「体育行事」「不登校対策」。
(他にも行事関係の会議や不定期開催の委員会もありました)
僕たちの学校では、全教職員が『研究』『専門』の委員会にそれぞれ1つずつ、合計2つ所属することを原則にしていました。

前述したとおり、どんな委員会を設置するかは学校裁量です。「学力」「人権」があってもなくても全く問題ではありません。では何が問題なのか?
第1の問題は「必然性」。そして、第2の問題は「関係性」です。

昨日に引き続きビジネス関係の書籍。読んでいて楽しい♪

必然性

まずは第1の問題「必然性」の話から。
これまで何度も書いてきたことですが、学校文化の1つに前例踏襲があります。機構改革のレベルになると、よほど必要に迫られることがない限り実施しません。せいぜいマイナーチェンジ止まりです。もちろん、機構改革自体も目的ではなく手段ですので、やればいいという問題でないのは言うまでもありません。でも、時には自校の組織構造について確認してみてはいかがでしょう。

確認のポイントはとてもシンプル。校務分掌組織が、学校目標=設定したゴールに向かうために適切な組織構造になっているかという点です。
学校グランドデザインとの関係が希薄で、各組織が個別の研究テーマに基づき活動しているパターンをよく見かけます。他にも単なる前例踏襲パターン。そして、「教育の世界だから学力!」「人権って大事!」レベルの安易な発想パターン。

いずれも、「委員会は学校目標への貢献のために設置する」という基本的視点が抜けています。学校目標達成のために、何を研究推進する組織が必要か。その「必然性」に基づいて戦略的に組織を設置してほしいと僕は思います。

必然性があれば、言わなくても子どもたちは全力を出しきります!(^^)!

関係性

第2の課題は「関係性」。
違う言葉でいうと「縦割り構造からの脱却」。
こうなる原因は、第1の課題で書いた通り。学校目標達成のために組織が存在できていないことが原因です。

ですから、改善ポイントは1つ。「学校目標達成のために組織がある」ということを全教職員に理解してもらえるように努めることです。
教職員が自分勝手だから縦割り構造になっているのではありません。そもそも学校はそういうパターンが多く、知らない間にそれが当たり前だと思ってしまっているだけなのです。まずは、自校の組織の「関係性」をメタ認知することから始めてみてはいかがでしょうか。

資源の活用

時代はSDGs。持続可能な社会の枠組づくりが求められています。また、そのために限りある資源を有効に活用することも求められています。
そして、学校における最大の資源は教職員であり、教職員の多くは極めて真面目!これは何度も主張してきました。

管理職、とりわけ校長の仕事は、真面目な教職員の方々が行う業務が組織の成長につながるようにマネジメントすることです。限りある教職員の力を無駄使いせず、組織貢献につなげることが何よりも重要な責務だと言ってもよいのではないでしょうか。

そのためのキーワードは「共通目標」と「共通言語」。これらを活用し、「ベクトルをそろえる」ことで、教職員の力を効果的に活用することが可能になると僕は考えます。

ディズニー旅行はMちゃんの力を引き出します!旅行中も帰宅後も(^^)/

大切なこと

ただし、改めて確認しておきたいことが一つだけあります。
それは、組織づくりの本当の意図についてです。
これまで組織目標・組織貢献と何度も書きました。でも、組織が成熟し、生産性を高め、成果をあげたとしても、それは結果にすぎません。
組織としての目標は、個人の目標よりも上位に位置づきます。しかし、組織の成長が個人の幸福よりも上位かというと、それは大きな間違いです。

力のある組織をつくる目的は、教職員へのリスペクトと配慮に由来します。すべての教職員が自己有用感を感じ、努力が成果となることを実感できる組織づくり。教職員がモチベーションを高め、自らの意思で業務に向き合おうとする組織づくり。組織の継続的成長はそれらの結果に過ぎない。僕はそう考えています。

相変わらず長文になりましたが、具体的な話までいくことができませんでした。
たとえば、『研究』4組織はどのような関係だったのか?また、個々の教職員の目標と組織目標との関連はどうだったのか?など。これらの話題については、また別の機会にお話しさせてください!よろしくお願いします(^^♪

最後までお付き合いくださり、ありがとうございました!
またお越しください!
お待ちしています!

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フィロソフィー #44

みなさん こんにちは!
『餃子大王』ベーシストじゅんちゃんのブログにようこそ!

今日も晴天!でも、空色は青色絵の具に白を混ぜた透明度の低い薄青。空気がきれいな日にはPLの塔まで見えるのに、今日は近景までかすんでいます。
しかも、今日もまた夏日。学校教職員のみなさん、熱中症対策は万全ですか?また気苦労が増えましたね…。適切な指導内容と環境整備に加え、「やめる勇気」をもって教育活動に向き合ってください!

さて、今日は久しぶりの学校経営関係テーマです。これまで、校長の仕事・姿勢について書いてきました。また、運動会や僕のブログの話を例に目標と手段との関係についても書いてきました。
そこで、今日は教職員(子ども)の力を引き出すための学校(学級)経営に必要な「フィロソフィー」について書いてみたいと思います。最後までお付き合いください。
一読に要する時間は約6分(僕計測)。よろしくお願いします(^^♪

ビジネス書に学ぶ

僕はビジネス書が好きです。もしかすると教育書よりも好きかもしれません。特に、首席教諭や管理職になってからのメイン課題は組織マネジメント。そのため、時々おもしろそうなビジネス書を購入しては読んでいました。
インターネットでも様々な情報を得ることができます。
「ミッション」「ビジョン」「フィロソフィー」の違いとは?これらを実現するにはどうすればよいか?など、いろんな情報を瞬時に手に入れることができます。

本当にしっかりとした組織を作るためには、これらの言葉の理解・整理から始める必要があるのでしょう。ただ、残念ながら、僕を含め多くの学校管理職のレベルはそれ以前。まずは、学校としての大きな枠組み設定から始めたいと思います。

マネジメントを学ぶ

民間企業と公立学校は違います。経営と教育は同じではありません。だけど、学校に経営的視点が不必要かというと、それも答えはNO。学校には経営的視点を持つ教育者が必要だと僕は考えています。

この点については、現職中も府・市の管理職研修に参加するたびに「マネジメント研修が必要!」と訴えてきました。「人権」「教科等指導法」など教員としての専門性は、すでに教諭時代に培いました。だから管理職選考にも合格したはずです。最新の情勢を学ぶ必要性は否定しませんが、それにしても教育委員会が「マネジメント」を軽視し過ぎ!「民間人校長を…」という声が上がる背景にはそのあたりの課題があるのではないでしょうか?ちなみに僕は民間人校長を否定していません。現に優秀な方もおられます。ただ、教育界の人間として、民間人校長には負けないという自負をもっていました。(だから企業に学ぶ必要もあると思います)

力を引き出す

何度も書いていますが、教育の目的は法で定められています。その実現を目指すことが学校教職員の目的であり社会貢献。だとすれば、学校が考えるべきことは、もう少し具体的な目標です。

そもそも学校教職員志望の動機ですが、「人格の完成」「社会貢献」を考えている人は少ないと思います。たぶん視点はもう少し手前。直接的な顧客である「子どもや保護者の幸福への貢献」というあたりでしょうか。
だとすれば、管理職の役割は、その思いを組織づくりに反映させていくこと。その思いを実現させていく道筋を示すことが大切だと思います。

全力で組織貢献する人は、自分の仕事が「どこに向かうか」「何にどう役立つか」を理解している人です。逆に、目的が不明確な仕事や自己有用感・達成感につながらない仕事に、情熱を傾ける人などいません。管理職はこのことを強く自覚し、教職員の志を反映させたゴールを設定することが大切です。

フィロソフィー

SDGsの理念「No one will be left behind」(誰一人取り残さない)。これは僕たちの市の教育プランとも共通する理念でした。だから、僕は学力面・生活面にしんどさを抱える子どもたち=エンパワー層を伸ばすことを提案しました。それは教職員の願いでもあったからです。
実際に、「学校に来にくい」「教室に入りにくい」「勉強についていけない」「友達と上手につながれない」など、様々なしんどさを抱える子たちがいました。だから、僕たちはエンパワー層を伸ばすことを組織目標(ゴール)にしました。

併せて提示した手段は学校のユニバーサルデザイン化(UD化)。日本の学校は、すべての子の学力保障(到達目標)をめざしています。しかし、子どもの実態に目を向けると、育ちと学びに不利…だと感じる子もいます。その不利を解消するためのUD化。つまり、エンパワー層が伸びやすい環境を整えることで、すべての子どもの学びと育ちを支援する。僕はそう考えて、集団づくりUD・学習環境づくりUD・授業づくりUD・活動づくりUDなど、今も継続している取組の基盤となる部分を提案しました。そして、この方針も学校全体で理解・共有することができました。

PDCAと検証軸

学校の命は教職員です。教職員の成長が学校の成長です。今も強く思います。
では、教職員の仕事の成果はどう検証するのか?それはやはり「子どもの姿」。どんなにすごい理論を並べても、どこかの偉い先生に学んでいても、子どもたちの学びと育ちに表れていなければ何の意味もありません。「教育の成果はすぐに表れるものではない…」などの言い訳も違うと思います。

だから僕たちの学校では、検証方法についても研究を進めていました。教職員自身が納得できる検証結果を持つことが、効果的なPDCAサイクル活用には不可欠だからです。それは、信頼性・妥当性の面で不十分な振り返りで曖昧に進むことが多い学校組織の弱点克服をめざすチャレンジでもありました。

学校グランドデザイン

これまで『教育』カテゴリーとして20本近い記事を書いてきました。その目的は「学校グランドデザイン」について書きたかったからです。
これまでお話ししてきた目的・目標・手段・フィロソフィー、専門家との連携や幼児教育を始めとする校種間連携などの話題。そして、これから書く予定のことも、すべてが「学校グランドデザイン」につながります。
もしかすると「学校グランドデザイン」もシリーズものになってしまうかもしれませんが、興味を持っていただけるようでしたら、どうぞお付き合いください。よろしくお願いします!

最後までお付き合いくださり、ありがとうございました!
またお越しください!
お待ちしています!

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教育

幼児教育レポート #40

みなさん こんにちは!
『餃子大王』ベーシストじゅんちゃんのブログにようこそ!

今日は久しぶりに小学校に行ってきました。目的はお世話になった受付員のTさんにお会いし、改めてお礼をお伝えすること。正門前で椅子に座ってのんびりおしゃべりタイムを楽しみました。業間休憩にはたくさんの子どもたちにも再会!みんな元気そうでよかった!さらに、他の受付員さんお二人&保護者の方お二人ともお会いして、充実した学校訪問となりました!

「やっぱり現場はいいなぁ…」ということで、本日のテーマは「幼児教育レポート」。今月12・13日にお伺いした幼児教育施設での学びをレポートします!

一読に要する時間は約6分(僕計測)。長いです!最後までお付き合いください!よろしくお願いします!

保育所訪問

まず初日に訪れたK保育所。K校長先生とY先生と僕の3人を笑顔で迎えてくださったのはH所長先生。Welcomeムードが本当にありがたい!
早速玄関ホールの掲示物について説明をしてくださいました。

壁面に、まずは大事な「10の姿」!市内で統一していると教えてくださいました。K保育所ではそれ以外に、最近の保育の様子や給食・イベントなどの情報がわかる掲示物も随時更新。送迎時に保護者が見たくなるような工夫がいっぱいです。さらに、玄関ホール近くにはおしゃべりしやすい大きな丸テーブル!日頃から保護者との交流を大切にされていることがよくわかります。ちなみにこの丸テーブルでは幼児たちも「ねえねえ…」とたくさんおしゃべりをしてくれるそうです。素敵ですね(^^♪

こちらがその丸テーブル!子どもたちも座りたくなりますよね!

発達について

子どもの育ちは様々です。特に最近は、様々な特性を持つ子どもが増えているため、いわゆる定型発達に当てはまらない子どもも増えています。大人たちが困ってしまう気持ちもわかります。でも、本当に困っているのは子どもの方。
定型発達の子たちと比べて、成長速度や最終ゴールが異なることもありますが、早期に適切な支援を行うことで、その子が持っている力を伸ばすことが可能になります。だから、おとなは子どもの様子をしっかりと観察し、困っていないかどうかを把握しなければならないのです。

さらに、保育者・教職員は乳幼児の発達について学んでほしいと思います。未発達なまま生まれてくる人間は、誕生後に適切な経験を積むことで必要な力を獲得します。物事に順番があるように、人の成長にも段階があることを僕たちは知っておかなければならないのです。

たとえば、身体機能や感覚器官が発達し、知的・情緒的・社会的発達が著しい「乳児期」には「愛着関係」「信頼感」を獲得する必要があります。また、「幼児期前期」には「自我の目覚め」とともに「自律」「意思」を、「幼児期後期」には「自発性」を獲得することが大切です。定型発達を基準にしたり、過度な早期教育を施したりするのではなく、発達段階に応じた力・感覚を獲得することが大切です。それは、のちの人生に大きく影響するからです。

かわいい壁面装飾。すべてに意味があります。

保育見学

この日は4歳児、3歳児、…0歳児の順で見学。先ほど書いたことが理屈ではなく、実践として展開されていました。まさに発達段階に応じた保育!たとえば、遊びの内容、保育者との距離、保育環境など…。どれも勉強になります。そして最後に5歳児さんのお部屋へ。

1年生を何もできない小さなお友達…と見がちな小学校。でも、4・3・2・1・0歳児と見学した後の5歳児さん!なんと立派な姿でしょう。この日はクッキーの型抜きにチャレンジしていました。グループごとに配られる生地と抜き型。お互いに譲り合いながらルールを守ってチャレンジ。どこに抜き型をおろすか、何個できるか…。「10の姿」のうち6つや7つは確実に関わる内容でした。やっぱり小学校教職員にぜひ見てほしいなあ。

コロナが少し収束。「くっきんぐ」できるようになって良かったね!(^^)!

こども園訪問

翌日はN幼稚園の園内研修に参加させていただきました。この日の参加者は、前日メンバーにK先生、さらに中学校のN先生を加えた5人。前日同様、Welcomeムードで大歓迎!K園長先生ありがとうございました!

参観したのは4歳児の保育。「ルールのある遊びや触れ合い遊びをする」を主活動に、「10の姿」のうち7項目と関連付けた保育でした。
僕たちが到着した時は「ぎっこんばったん」などの触れ合い遊びの真っ最中。慣れた遊びで心&体ほぐし。保育者・N先生の声かけはとてもゆるやか。ピアノ伴奏のテンポや音量を変化させ、動きの変化を引き出します。予め用意された環境だけでなくLive感あふれる環境構成。これって大事やな♪

みんな幼児の目線になって参観。フープは次の活動「お引越しゲーム」の引越し先(^^♪

お引越しゲーム

そしてメインは「お引越しゲーム」。箱に入ったくじを引き、出た色と同じ色のある場所にお引越しするゲーム。全員が“色々さがしマン”になって活動します!
こちらも子どもたちの心はワクワクでいっぱい!早くお引越しできたら次のくじを引く権利までゲット!くじを引いて「〇色~!」と言えるとあって子どもたちは大ハッスル!N先生は上手にいろんな子どもを指名していました(^^♪

この遊びでも、言葉かけはゆるやか。マイルールで動きがちな子に対しても、誰もがみんな受容的。保育の目標が「できること=到達目標」ではなく、「やろうとする=方向目標」であること。そして、評価が「評価規準に基づく評価」ではなく、「個人内評価」であることにも納得。改めて「なるほどな」と思いました。

お引越しゲームのグッズです!

降園準備の時に

「お部屋に戻ったらトイレ・手洗い・うがい・お帰りの用意をしてね。たくさん言ったけどできるかな?」と、あえて複数タスクも指示!できて当たり前ではなく、できるようになるための工夫!さすがです!
たくさん動いて顔を真っ赤にした子どもたちは指示を思い出して頑張って行動!忘れている子には、周りがそっと伝える。何ともほほえましい雰囲気でした。

驚いたことがもう1つ!
制服のボタンを一生懸命留めていた子の様子を近くで見ていたK園長先生。「すごい。できるようになったね!」とその子に向かって一言。
「いやいや、すごいのは園長先生やろ!」と心の中で僕。
「できるようになったね」は、最近までできなかったことをご存じだから言える一言。きっと、いつ頃から上達してきたかをご存じなのだと思います。その証拠にほめられたその子はとても嬉しそうに「うん」とうなずいていました。

5歳児さんのお部屋の水槽。ざりがに、わかりますか?

保育者に学ぶ

保育者は意図的に工夫した環境を構成します。幼児はその環境を通した遊びを通じて総合的に学びます。そして保育者は、幼児が夢中になって遊び込む姿から「10の姿」に関わる変容を見取ります。保育者の適切な援助と的確な見取りの上に、幼児教育が成立していることを小学校教職員には知ってほしいと思います。
でも、やっぱり百聞は一見に如かず!ほんの少しの知識をもって、まずは現場に出かけてほしいです!ついでに僕も誘ってくださ~い(^^♪

最後までお付き合いくださり、ありがとうございました!
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「流浪の月」凪良ゆうさん #39

みなさん こんにちは!
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5月14日(土)早朝。何気なく前日の夕刊をパラパラと眺めていると…。「えっ!何?」と気になる見出し発見!
【「流浪の月」に主演 広瀬すず】
読んでみると、凪良ゆうさんの『流浪の月』映画化の話題。主演は広瀬すずさんと松坂桃李さん。全国ロードショーは前日5月13日からすでにスタートしていたようです。

「次に書くとしたらこの本かな」と考えていた『流浪の月』。
そろそろ書こうかなと思っていた矢先のニュースにびっくり!同時に、何だか出遅れた気がして「書くのやめようかな…」と弱気になっていました。
すると、今度はモダンチョキチョキズの保山宗明玉さんが「李相日監督の「流浪の月」を初日舞台挨拶映像付きで見てきた」とFacebookに投稿!
「やっぱり僕も書いてみよう!」ということで、まずは『流浪の月』再読。いよいよ本日書かせていただきました。
一読に要する時間は約5分。最後までお付き合いください。

2022年5月13日 朝日新聞夕刊と『流浪の月』(東京創元社)です。 

『流浪の月』

2020年5月。コロナ禍の影響で始めた読書生活はブレイディみかこさんの『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』が出発点。『流浪の月』はその次に読んだ作品で、「2020年本屋大賞受賞」という本の帯の文字に誘われて購入しました。

物語は、5年前の「女児監禁事件」を発端に展開していきます。「加害者」はロリコンと呼ばれる佐伯文。「被害者」は小学生の家内更紗。二人は「女児監禁事件」の解決とともに一度は離れますが、十数年後、再び出会うことになります。

「事件という言葉から受けるイメージとは裏腹に、静かに穏やかに進んでいく物語。決して荒々しい描写も衝撃的な出来事も出てこないのに、心がずっと落ち着かない。そして、読み終えた後に残る安堵感とも空虚感とも異なる不思議な感覚。切ないのか悲しいのか、それとも嬉しいのか…。」
自分でもわかりませんでしたが、僕はこの作品がとても好きでした。何だか温かい気持ちになれたからです。そして、心が落ち着かなかったのは、ずっと心が震えていたからだということも後になって気がつきました。

物語に書かれている更紗の思い。「いたわりや気配りという善意の形」「みんな自分を優しいと思っている」…。
本の帯には「せっかくの善意を、わたしは捨てていく。そんなものでは、わたしはかけらも救われない。」とも書かれています。

今日の午前中は美容院へ。カット&カラーの間も読書にいそしみました♪

学校教職員として

世の中の価値観が多様化し、個人の生き方が尊重される時代になってきました。しかし、平和な世界を形成する構成員である以上、守らなければならないルールがあります。また、それぞれの国・地域独自の文化や風習もあります。
学校教職員はこれらのルールや文化に基づいて、人権教育や道徳教育を展開しているため、時には個人の生き方に深く関わることになります。でも…。

「いたわりや気配りという善意の形」は、本当にいたわりや気配りになっているのだろうか。「自分を優しいと思って」行う行為は?
もしかすると更紗のように、誰も「そんなものでは」「かけらも救われない」のでないだろうか。僕はそんなことを考えてしまいます。

僕の失敗

僕は20代の頃に、大きな失敗をしました。とても大事に思っていた「ある子どものために」、自分でストーリーを組み立てて学級会を実施。その計画は「善意」によるものでしたが、結果は最悪。自分勝手なストーリーはその子を深く傷つけただけで終わってしまいました。

それ以来、僕は「この子のために言っている」「この子のためにしてあげている」という考え方には少し慎重?懐疑的?になっています。教職員の「せっかくの善意」ですが、時におせっかいであったり、価値観の押し付けになったりすることを、僕は知っているからです。

学校教育への期待

メディアは毎日、世界中のあらゆる出来事を報じています。事実だけでなく、それに対する評価や対策についてもコメントしています。
たとえば、『流浪の月』の佐伯文が起こしたような「犯罪から子どもたちを守るためには」どうすればよいか。あるいは、「望まない妊娠を根絶するためには」…など。こんな時、よく耳にするのが学校教育への期待です。

他の先進国と比べ、日本の学校では「性暴力根絶」に必要な「包括的な性教育」が十分になされていないと指摘する専門家がいます。「包括的な性教育」とはジェンダーやLGBTQ+などを含む人権尊重を基盤とした幅広い性教育のこと。たしかに重要な教育課題です。だから、この指摘は決して間違っていないのだろうと思います。

社会全体で行う教育

しかし、やはりどこか違うなと感じます。
学校教育が話題の中心になりがちですが、家庭や地域、社会全体での「性教育」はどうかという点はあまり議論されないのです。家庭や社会全体での性教育は、他の先進国と比べると遅れていないのだろうか…。そう考えてしまいます。

たしかに『おうち性教育はじめます』(フクチマミ・村瀬幸浩著 KADOKAWA)を読めば、全国のママ・パパの悩みがわかります。『これからの男の子たちへ』(大月書店)の著者・太田啓子さんも悩みながら実践されたそうです。みなさん、とても苦労をされているのですね。それなのに一歩街に出れば!テレビをつければ!YouTubeやInstagram、TikTokを見れば…。

紹介した2冊の本。ママさん・パパさんいかがですか(^^♪

学校教職員への思い

このような状況の中、教科等の学習以外にも多くを期待されている学校教職員。どうしても、個人の生き方に関わる支援・指導が必要になることがあります。
しかし、教職員の方々には助言・指導の前に必ず考えてほしいことがあります。自分の「せっかくの善意」が、おせっかいや価値観の押し付けになっていないかということを。そして、もしかすると、「そんなものでは」「かけらも救われない」のではないかということを。

教職員は多くを期待される中、何とかその期待に応えようとしています。それが、業務過多と感情労働の増加につながっていてもなお頑張ろうとしています。
『協働のすすめ』でも書きましたが、学校に多くの期待を寄せるなら、学校をパワーアップさせることが必要です。すべてを教職員任せにするのではなく、分業・協働が必要な時代です。

多くの方々が学校を支援する手立てを一緒に考えてくださるといいなと思います。そして、頑張っている教職員を温かい目で見てくださるとありがたいなと思います。そうすれば、ほんの少し、学校教員不足解消にもつながるのではないか…。そんなふうに思います。

最後までお付き合いくださり、ありがとうございました!
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教育

幼児教育との出合い #38

みなさん こんにちは!
『餃子大王』ベーシストじゅんちゃんのブログにようこそ!

今日のテーマは「幼児教育との出合い」。
ホントは先週12日・13日に参加させていただいた幼児教育施設見学についてレポートしたいのです!でも、その前に、まずは僕と幼児教育との出合いからお話しさせてください。よろしくお願いします!
一読に要する時間は約5分30秒(僕計測)。最後までお付き合いください(^^♪

上賀茂神社(I本君のFacebookより)初夏の上賀茂神社の写真を送ってくれました♪

教諭時代

僕は23年間の担任時代のほとんどを高学年担任として過ごしました。当時は今のような「単年度制」ではなく、2学年単位の「持ち上がり」が主流。ですから、5年担任はクラス替えなしで6年担任に…というパターンが多かったです。
僕は、10回卒業生を送り出しましたが、6年のみ担任というのはわずか2回。それ以外の8回はすべて5・6年持ち上がり。さらに、うち1回は4・5・6年と3年間受け持ちました。(ただし、4年終わりはクラス替えしました)

そのため、校種間連携は小中が中心。中学校の教職員とはいろいろな観点で連携を進めました。たとえば、児童会&生徒会連携、人権教育推進、青少年健全育成など…。当時の僕は、幼児教育と関わっていないことをさほど気にしていませんでした。

持ち上がり

テーマから少し離れますが、単年度か持ち上がりかの問題。
いろいろな考え方があります。それぞれにメリット・デメリットもあります。でも、僕は持ち上がりが好きでした。
「2年も持てない」というネガティブな理由が裏にあると感じたことへの反発もありました。でも、それよりももっとポジティブな理由で持ち上がりが好きでした。

思春期前期の子どもたちとの長く深い時間。それは「穏やかで優しい家族」と過ごす感覚。その一方で感じる「本気で向き合わないと見抜かれる」という危機感。
この2つの感覚は、僕が教員になった理由を改めて確認させてくれていました。
毎日起きるいろんな出来事に笑ったり泣いたり悩んだり…。新しい発見もたくさん!きっと、子どもたち以上に僕が成長させてもらったのではないかと思います。今思い出してもとても楽しかった日々。懐かしいです。

我が家のこと

僕とMちゃんには子どもがいません。そのため、僕たちは「育児」をしていません。せいぜいかわいがっていた姪たちのお世話をしたくらい。だから、プライベートで保育所・幼稚園などに行く機会はなく、保育者の方々と会うことも話をすることもありませんでした。

かと言って、幼児に対するイメージがなかったわけではありません。
1年生の子どもたちには毎日会いますし、幼い姪たちにもちょくちょく会っていました。それに、たまには幼児教育施設の前を通ることだってありました。だから、高学年担任だけど、「幼児さんのことも知っている」という気になっていました。

ベネチアのゴンドラ。ゴンドリエーレのカンツォーネが聞こえてきそう(^^♪

校長管外出張

今から約6年前。市内の校長会メンバー8人で横浜に管外出張に行きました。目的は横浜の教育に学ぶこと。教育委員会と小学校を視察させていただきました。そこで、出合ったのが「横浜版 接続期カリキュラム」。幼児教育と小学校教育の段差を解消し、子どもたちの学びと育ちを円滑につなぐ取組です。

それまで幼児教育に触れたことがなかった僕には、とても興味深い横浜の実践。僕たちの市も教育には力を入れていて「学力向上プラン」に取り組んでいましたし、校種間連携にも力を入れていました。
なのに、「接続期カリキュラム?何それ?」って感じ!聞いたことがない!
「ぜひ学校で取り組んでみたい!」と僕は興味津々状態でした。

視察時に「私たちのバイブルです」と見せてくださった横浜市教育委員会発行の冊子『育ちと学びをつなぐ 横浜版 接続期カリキュラム』。入手するには直接市役所に行くしかないことも教えていただきました。
そこで、翌日の午後。帰阪前のフリータイムを利用して、僕は一人で横浜市役所へ。発行されていたシリーズを数冊購入しました。

『横浜版 接続期カリキュラム』のシリーズ!一部貸し出し中です(^^♪

スタカリ宣伝

以降、僕はスタートカリキュラム(スタカリ)導入に向けて動き始めました。校区内の幼稚園・保育所の行事を参観させてもらったり、園長先生たちにお話を聞かせてもらったり…。僕もスタカリ導入への意欲を話しました。
でも、なかなか他の教職員が幼児教育施設見学に帯同してくれることはありませんでした。理由は簡単。興味はあっても見学に行く時間がなかったからです。
幼児教育を見たいと願う教職員の多くは低学年担当者。保育を行っている午前中の時間は、教職員も授業中。見学に行く時間などないというのが実情でした。スタカリ導入以前の問題!これが僕の幼小連携の始まりでした。

翌年も大きな成果は上げることができないまま、僕は最後の学校へと異動することになります。そこでも1年間は何もできず。
でも、その3年の間に僕は市内の幼児教育界では少しずつ有名になっていきました。「小学校教育は幼児教育に学ぶべき!」なんて熱く語る小学校校長が珍しかったからだと思います。

幼児教育に学ぶ

今、大切にしたい主体的・探究的な学びは幼児教育の本質そのものです。
保育者は「(幼児期の終わりまでに育ってほしい)10の姿」という方向目標を意識して、環境構成や活動を工夫します。幼児の自発的な遊び=学びの芽生えを引き出すためです。そして、幼児の姿を深く観察し、一人ひとりの幼児の学びと育ちを見取り、次の活動へとつなげていきます。

だから小学校教職員は1年生の子どもたちが幼児教育で何をどのように身につけてきたのかを知る必要があるのです。幼児が育ってきたプロセスを理解することは幼児が育てた力を認めること。幼児教育で培われた自発性や自己肯定感を大切にすることから小学校教育は始まります。そして、それは小・中学校での豊かな学びへとつながります。

昨年度K小学校で行った「スタカリ研修」ではこんな話をさせていただきました。そして、わずか1か月の準備期間でスタカリに取り組んだK小学校教職員の方々。先日の施設見学といい、熱意と行動力がすごいです!改めて「学校の命は教職員。教職員が変われば学校が変わる」と実感しています。この動きをぜひ他校へも広げてほしいと思います。

さて、次回『教育』カテゴリで書く時は、「見学レポート」をお届けします。でも、「パリ・アクシデント編」も書きたいし、「本の紹介」も、もちろん『音楽』の話も書きたいし…。
気まぐれですみません(^^;お付き合いくださいm(__)m

最後までお付き合いくださり、ありがとうございました!
またお越しください!
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教育

協働のすすめ② #34

みなさん こんにちは!
『餃子大王』ベーシストじゅんちゃんのブログにようこそ!

今日も雨。残念ですが、僕にとって嬉しいことも!
実は、昨日はK保育所に行ってきました。そして、今日はこれから認定こども園N幼稚園に行きます。昨年度、研修講師として僕を呼んでくれたK小学校のK校長先生が誘ってくれました!ありがとうK先生!!
でも、本当に幼児教育はおもしろくて奥が深い!また近いうちに「スタートカリキュラム」についても書きますので、幼児教育についてはその時に!

ということで、今日は昨日の続編「協働のすすめ②」です。
今日も一読に要する時間は約6分(僕の計測です)!長いです!ごめんなさい!どうぞ最後までお付き合いください。

タラノメ(I本君のFacebookより)やっぱり緑色は落ち着きます♪

日本型学校教育

諸外国の学校事情は知りませんが、僕は日本型学校教育に誇りを持っています。もちろん、教科を軸にした多様な学びは守備範囲が広すぎて大変なこともあります。でも、そのおかげで、子どもの多様な面に触れたり、子どもと深く関わったりできます。そんな日本型教育がとても好きだったからこそ、僕は高3の時に突然進路変更を決意。学校教員になることにしたのです。

ただ、この日本型教育。数年前から難しくなりました。
理由は様々…。たとえば、社会の多様化・複雑化。急速に変化する中で、世代による文化や価値観に大きなずれが生じています。そこにさらにクロスする個人の価値観や考え方。それは時にハラスメント問題にも発展し、「気遣いされて嫌だった」という対応困難な状況さえ生み出します。多様なニーズへの対応。配慮を超えた完璧な配慮。実に難しいです。

学校教職員の立場

明治~昭和に見られた学校教職員という肩書へのリスペクト・信頼は平成の頃に失われました。この状況をさらに悪化させるのが、各種対応への不満です。
学校に様々な対応を期待する保護者・地域の方は年々増えています。トラブル対応だったり要望だったり…。しかし、現実の対応はなかなか難しい。

たとえば、トラブル対応。教職員は教育者。警察官でも裁判官でもありません。捜査権がないため事実固定が困難な時もあります。判断には不満を持たれ、大岡裁きすら受容されません。それは、やがて「無理解・不公平・隠ぺい」などの言葉とともに学校教職員への不信感へと変わっていきます。

百葉箱。懐かしくないですか? (^^♪

社会のニーズ

日本は教育立国だそうです。でも、学校現場にいると、「そうかな?」と思うことも少なくありません。ただ、学校教育に対する大きな期待・ニーズだけは強く感じます。

防災、防犯、いじめ・虐待、SNS、ヤングケアラー、LGBTQ+、自殺防止、がん、税、消費者、主権者、18歳成人など、挙げればきりがない社会課題。
通学路や遊具・河川での事故等、日々発生する痛ましい出来事。
そのたびごとに、国や自治体は調査・対応を学校に求め、専門家はテレビで「学校教育で指導すべき」と語ってくれます。どれも正論。できればすべてにていねいに取り組みたい。でも、やっぱり今のままでは無理そうです。

小学校高学年にもなると年間授業時数は1000時間以上。カリキュラムに余裕などありません。放課後も業務に追われている現代の多忙な教職員に、これ以上多くを求めることが無理であることを、社会全体が認識すべきだと僕は思います。

学校経営の方向

物理的にキャパオーバーになっている学校。業務を減らすか、人を増やすかの二択です。加えて、保護者対応など感情労働の増加!校内の自助努力で対応できる範囲はとっくに超えています。

最初は、諸外国のように学校教育の一部を学校外教育に移管する方法がいいかなと考えていた僕。クラブも実技教科も。
明治から変わらぬ学校システムに無理があるのかなと…。
でも、そんなムードはどこにもないし、学校教育に長く関わってきた僕には日本型教育の良さを大切にしたいという気持ちもどこかに…。
つまり、現実問題としては「学校が変わるしかない」。つまり「学校をパワーアップさせる」というのが結論です。(^^;

逆上がり補助板。これも懐かしくないですか? (^^♪

専門家の力

僕たちの学校は、高い地域力に支えられた学校でしたので、地域連携の点は心配無用。何かあればいつでも助けてくれました。
そこで、僕たちは新たな取組として専門家による外部支援チームづくりにトライ。幸い、市教委がスクールカウンセラー(SC)やスクールソーシャルワーカー(SSW)などの配置を始めていましたので、それに乗っかりました。

ただし、市の施策だけでは不十分。学校独自で配置回数や職種の拡大にチャレンジしました。その結果、ここ数年は市の施策と併せて『SC・SSW・CSW(コミュニティソーシャルワーカー)・スクールOT(作業療法士)・公認心理士・SENS(特別支援教育士)・元学校教員』の方々の力を借りることができました。おかげで、相談業務の充実はもちろん、的確な児童アセスメントをもとにした適切な支援・指導を行うことも可能になりました。

学校UD化

もうお分かりかもしれませんが、僕たちの学校づくりは人権・支援教育がベースでした。もちろん、教員の授業力向上や児童の思考スキル・非認知能力育成にも力を入れて研究していましたが、それらをまとめるキーワードは「学校ユニバーサルデザイン化(学校UD化)」でした。

この観点から、外部組織・機関との不定期の連携も同時に追求。中学校との連携には支援教育の視点を加えました。
幼稚園等の幼児教育施設との連携は強化。小1プロブレムの克服をめざしました。
また、特別支援学校や児童発達支援センター、各種療育施設、医療機関、フリースクール等との連携も模索し、自立活動等の充実に役立てました。
さらに、教員養成系や医療・福祉系の大学等との連携では、Win Winの取組をめざし、学生や院生の受け入れ事業も進めました。
中にはコロナ禍による影響でストップした取組もありましたが、今後の学校の在り方に関する提案にはなったと思っています。

川底の層状チャート(I本君のFacebookより)。やっぱり最後はI本君!これは珍しい!?

小学校から

僕の経験上、中学校教職員は小学校によく来てくれます。また、幼児教教育施設や療育関係の方々は小学校との交流を待ち望んでいます。小学校側が門を開き、少し出向くだけで連携・協力体制は一気にできあがります。後は、コロナ禍の終息を待つ…それだけです。

もちろん、外部支援チームが昨日書いた施設整備をしてくれるわけではありません。しかし、専門家等との連携を進めることで、子どもの姿は劇的に変化・安定します。トラブル・事故の減少は学校教職員へのリスペクト・信頼度向上という好循環を生み、その結果、感情労働に従事する時間も減少。逆に、協力してくださる保護者・地域の方は増加します。

とは言え、様々な課題に対する対応が求められる学校教職員の多忙感が解消されるのはまだ先になりそうです。でも、自分たちだけで頑張る必要はありません。具体的なアプローチの方向は学校独自でOKですが、専門家等との連携はマストです。

学校教職員と専門家たち。それぞれの持つ強みをお互いが理解し、守備範囲を検討。でも、完全な分業ではなく、適度に守備範囲を重ねる。つまり、各々の強みを生かしたインクルーシブで協働的な関係づくり。それは必ず目の前にいる大切な子どもたちの未来を守る強力なセーフティネットになる。僕はそう考えています。

最後までお付き合いくださり、ありがとうございました!
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